ここでは禁制品についてご紹介します。
何でも海外へ送れるというわけではなく、中には送ることができないものもあります。
この記事では、海外へ送れない禁制品にはどのようなものがあるのか、その調べ方、またもし送ってしまったらどうなるのかご紹介します。
禁制品とは?
禁制品とは、法律によって配送したり所有することが禁止されているものです。
せっかく荷物を送っても、それが禁制品だと返送されたり、税関で没収されることもあります。
危険物など万国共通で配送することが禁止されているものや、それぞれの国・地域によって制限されているものもあります。
「禁止品」は、どんな理由があっても万国共通で配送することが禁止されているものです。
「規制品」は、それぞれの国・地域によって制限されているもので、許可を取れば配送できることもあります。
規制品であれば、関税関係法令以外の法令の規定によって許可や承認等を受け、検査が完了したことを申告・審査・検査の際に税関に証明することで配送することができます。
禁止品
禁止品にはどのようなものがあるのか以下にご紹介します。
禁止品は、どこの国へも送ることはできません。
もし以下のものを海外へ送った場合には、関税法などで処罰されてしまいます。
ですが、以下のようなものは常識的に送ることはないと思うので、とくに注意しなくても送る人はいないと思います。
麻薬や覚せい剤
送ったら麻薬及び向精神薬取締法や大麻取締法などによって懲罰されます。
児童ポルノ関連商品
児童ポルノ禁止法によって、配送した場合だけでなく所持していた場合についても刑事罰が適用されます。
「児童」とされる年齢は国によってそれぞれ異なっています。
媒体は主にDVDや書籍といった写真や動画です。
不正競争防止法を違反しているもの
特許や商標権などを侵害するものが当てはまります。
わかりやすい例をあげると偽ブランド商品などがあります。
偽ブランド商品だけでなく、有名なブランド名を語って違う商品を販売するという行為や、人気商品のデザインを真似して作られた商品などもこの枠に当てはまります。
規制品
禁止品よりも間違えて送ってしまいがちなのが規制品です。
国や地域によって制限されていて送れないものがあります。
例をあげると、野菜、牛肉の入ったカップラーメン、日本酒などがあります。
これらは、送り先となる国や地域によっては送ることができません。
この他に、国際郵便として送れないものもあります。
例をあげると、スプレー缶、ライター、香水などが航空危険物とされて送ることができません。
これらのものは、国際郵便において、通常郵便物、小包郵便物、EMS郵便物などの郵便物の種類や、航空便、SAL便、船便などの輸送モードに関わらず送ることができません。
爆発物や武器
爆発物や武器となるものは、外国為替及び外国貿易法によって規制されています。
例をあげると、ナイフ、アーミーグッズ、スコープなどがあげられます。
モデルガンなど、凶器として判断されるかもしれないというものも避けた方が無難です。
植物や動物
植物防疫法、家畜伝染病予防法、狂犬病予防法によって取り締まられています。
ダニなどの昆虫、鳥類の卵、ソーセージやハムなどの動物の肉など規制されているものの範囲は幅広くあります。
食品や飲料
それぞれの国や地域によって大きく異なっているので、配送する先の国で輸入規制がかかっていないかどうかを確認しておきましょう。
例えば、アメリカでは東京電力福島第一原子力発電所事故の影響によって、アメリカの食品安全基準に違反していないということの証明、もしくはアメリカ側でのサンプル検査などが課されています。
その他法律に違反しているもの
中古自動車(道路運送車両法)や天然記念物(文化財保護法)など、 その他法令の規定によって、許可や承認が必要になるものがあります。
参照:5501 税関で確認する輸出関係他法令の概要(カスタムスアンサー)
もし禁制品を配送してしまったらどうなる?
もし禁制品を配送してしまった場合にはどうなってしまうのかご説明します。
通常は税関で止められる
万国共通の禁制品や発送した先の国での規制品が入っていた場合や、 インボイスなどの書類に不備があった場合には、税関で差し止められ、その後通達がきます。
滅却処分されて返金されないことも
滅却処分されて配送した荷物が返ってこないこともあります。
そうなると返金されることもないので、禁制品を送らないよう注意しましょう。
最悪の場合には法律で処罰される
最悪の場合には法律で処罰されてしまうこともあります。
処罰された過去の例には、仕向地としての輸出が禁止されている国へ商品を輸出しようとした貿易会社が、 別の国を経由して経済産業大臣の承認を受けずに密輸しようとしたことで、 外国為替及び外国貿易法に基づいて輸出禁止などの行政処分を受けたという事例があります。
禁制品を送らないように注意しよう
日本での法律では配送することに問題がなくても、発送する先の国で禁止されていて止められることがあります。
アメリカやヨーロッパの各国などでは、とくに細かく禁制品が決められています。
気をつけたいのが原材料についてです。
配送するものの中に、配送する先の国で禁止されている成分が含まれていないかどうかについても注意が必要です。
国や地域によっては、製造された工場や原産地などの確認が必要になる場合もあります。
送る先の国で禁止されていないか、送る前に必ずチェックするようにしましょう。
国際郵便(EMS)でのリチウムイオン電池の配送に要注意
リチウムイオン電池を国際郵便(EMS)で配送するという場合には、以下の一定の条件があります。
iPhone、ノートパソコンなどを送るという場合には要注意です。
- 機器に取り付けもしくは機器に内蔵されていること
- リチウムの内容量もしくはワット時定格値などが一定の限度内であること
- リチウムイオン電池の数量制限(1梱包で単電池の場合には4個まで、組電池の場合には2個まで)の範囲内であること
※リチウム単電池とは単4電池や単3電池といった円柱状の電池です。
リチウム組電池とは平面状のものやノートパソコンに組み込まれているものです。
・リチウムイオン電池の輸入を制限していない国や地域へ差し出すこと
上記の条件を満たしている場合には、iPhone、ノートパソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム、デジタルカメラなどを配送することができます。
ですがフランス、ドイツ、モンゴルは配送委対象外の国なので送ることはできません。
禁制品かどうかわからない場合の対処法
日本郵便局のホームページで調べる
日本郵便局のホームページには詳しい禁制品のリストがあるので、調べることができます。
以下に日本郵便局のホームページで禁制品をチェックする手順をご紹介します。
①日本郵便禁制品のページを開きます。
②調べたい国を入力、もしくは五十音順で探します。
③「禁制品」をクリックします。
④「国の全送達条件を印刷」をクリックすると、禁制品の一覧が出てきます。
輸出する場合には日本貿易振興機構(JETRO)で専門家に聞く
日本貿易振興機構では、専門家との個別面談をして、輸出できるかどうか相談することができます。
他にも貿易の基本的なしくみも解説してもらえたり、販売に関しての相談ができるので海外ビジネスをサポートしてもらえます。
まとめ
ここでは禁制品についてご紹介しました。
海外へ送ることができない禁制品には万国共通で禁止されているものや、国や地域によって禁止されているものがあります。
禁制品を送ってしまうと荷物が戻ってこないこともあり、最悪の場合処罰されることもあります。
送ろうとしている荷物が禁制品ではないか、上記でご紹介したページでしっかり調べてから送れば安心です。
海外へ荷物を配送するという場合は、ぜひここでご紹介した内容を役立てていただけたらと思います。